雨に似ている  (改訂版)

郁子はそれすらもかまわずに、詩月を見つめ握りしめた手を放さない。

「……緒方。今は体力が戻るまで留学も無理で、どこまで頑張れるかわからない」

詩月は頼りない息遣いの掠れた細い声で、一言一言絞り出す。

詩月が喘ぐように息をつくたび、痩せた肩が震える。

詩月は乱れた呼吸で息をつきながら、言葉を続けた。


「でも……諦めない。『希望は僕の意志から』君に教えられた」

郁子は途切れがちに紡がれる詩月の思いと決意に、深く頷いた。

「緒方……」

詩月は優しく郁子の手をとり、優しく包み込んだ。