「貴方はいつもそうやって嘆いてばかり。お父さんの演奏に似ている? そう思っているのは貴方だけじゃない!? 自分の納得のいく演奏ができないことや自分の演奏に自信がない、思うように弾けないことをお父さんの演奏に似ているからだと思い込んでいるだけじゃない!? ちゃんと自分の音に向き合ってみなさいよ。貴方は中途半端な気持ちでしかピアノを弾いていないのよ。上手く弾けないからと楽譜を破るような人がいくら弾いたって……弾かない方がマシよ」
「郁! よせ!!」
貢が郁子の言葉を制する。
それでも郁子の言葉は止まらずに、詩月を責めた。
「私だったら納得がいくまで弾く。何度でも。自分の演奏に自信が持てるようになるまで。そして、いつかは自分自身のピアノを弾いて見せる。誰に何と言われたって自分の音を、自分の『ショパン』を見つけて見せるわ」
「郁! 言葉がすぎる」
貢は郁子の手を引き、何とか止めようと幾度も声をかけた。
「ちゃんと自分の『ショパン』を弾けるまで、私だったら逃げたりしない。貴方みたいに楽譜を破ったり『人前でショパンは弾かない』なんて言ったりしないわ」
詩月は郁子の言葉にハッとし、郁子を見上げた。
郁子が次に紡ぐ言葉を待ち、郁子を真っ直ぐに見つめた。
「郁! よせ!!」
貢が郁子の言葉を制する。
それでも郁子の言葉は止まらずに、詩月を責めた。
「私だったら納得がいくまで弾く。何度でも。自分の演奏に自信が持てるようになるまで。そして、いつかは自分自身のピアノを弾いて見せる。誰に何と言われたって自分の音を、自分の『ショパン』を見つけて見せるわ」
「郁! 言葉がすぎる」
貢は郁子の手を引き、何とか止めようと幾度も声をかけた。
「ちゃんと自分の『ショパン』を弾けるまで、私だったら逃げたりしない。貴方みたいに楽譜を破ったり『人前でショパンは弾かない』なんて言ったりしないわ」
詩月は郁子の言葉にハッとし、郁子を見上げた。
郁子が次に紡ぐ言葉を待ち、郁子を真っ直ぐに見つめた。



