お皿を並べ終わった頃、チャイムの音がした。

ユウだ!


「はーいっ」

どたどたと足音を響かせて玄関へ向かう。
ドアを勢いよく開けると、仏頂面のユウがいた。

「お前、まだおとなしくしとらんと――なんか、オシャレしとるね?」

「うんっ!」

私が首を大きく立てに振ると、ユウはいぶかしげな顔をした。

「どうしたん…?」

「いいから、はやくっ」

ユウの手をとって中へと誘導する。

「おま…体調はもういいのかよ……え。」

ユウが目を見開いたタイミングで、テーブルの上に置いておいたクラッカーを鳴らした。

「ユウ、お誕生日おめでとーう!」

「……」

反応がないので心配になって見てみると、
ユウは飾りつけをされた部屋を見て、ぽかんとしていた。

「ユウ?」

「あ…のさ、アイス冷蔵庫入れていい?」

「うん。」


――あ、あれ?
あんまり、嬉しくなかったのかな…ユウ、サプライズ嫌いだったのかな…どうしよう…