「美星。」 「なに?お母さん?」 「美星はもう、今年小学生よね?」 「うん。」 「だったら、一人で住めるよね?」 なんて、言い出すお母さん。 (今更何言ってんのかな、 ずっと私は家で一人だった。 お父さんも仕事ばかり、 お母さんは私と二人で家に居たいからずっと外。) 「うん。住めるよ。」 「美星は偉いね。」 お母さんは初めて私の頭を撫でてくれた。 しかし、 目を合わせず。 ……お母さんは私と一度も目を合わしてはくれない。