「それは………」 「通して」 震えそうになる声に、ありったけの力を込めて私は言う。 不意に、希尋が私の手を握った。 言葉にしなくても伝わってくる。 大丈夫だと。 「礼央。下がってて」 希尋は蓮と向き合った。 「俺達の正体。知りたい?」 「……ま、麻央君。いいの?」 「……しょうがないよ。先輩。後で一緒に怒られて?」 希尋に気圧されたように、蓮達は黙る。 もしかしたら、希尋は蘭華より強いかも。 「あぁ。何者だ」