「礼央にはこう言う顔がお似合いじゃない?」

更に頬っぺたをムニムニとやる希尋。

…………だから、痛いってば!

「はーなーひーてーほー」

希尋の手をべちべちと叩けば。

やっと希尋は手を離してくれた。

痛む頰に手を当てて、ジト目で希尋を見上げる。

まったく。

これで頬っぺたが伸びたらどうしてくれるんだ!

「なに?」

「……痛かったんだけどなー」

「ふーん、で?」

で?って。

「希尋がいきなり引っ張るから痛かったんだよ!」

「…………へえ」

希尋が笑う。

怖い怖い怖い。

目が笑ってないよ!

え、ナニ?

何で怒ったんだ?

まさか私が怒らせた?

「ご、ゴメンナサイ」

何かわかんないけど許してください。

取り敢えずその怖い笑顔をやめてください。

「……別に。謝ってほしいわけじゃない」

じゃあ私はどうしたらいいんだ!

「いや、そのー。えっと」

「挙動不審」

いやだってさ!

「……絶対怒ってるじゃん……」

小さい声で呟けば。

「は?」

冷たいお声を頂きました。

「地獄耳……」

「今のも聞こえてる」

「あははー」