自分が、嫌われるような人だと思われたら。



それは確かに、悲しいし寂しいかもしれない。

「うん……」


「だから、今度は俺が待つ番だよ。
俺だって、話せるようになるまで、ずっと待っててもらったからね」

懐かしむように希尋は目を細める。

「これだけは、覚えておいて。
礼央は一人じゃない。
ちゃんと、礼央を見ようとしてる人がいること」


「うん………うん」


希尋の言葉に、私は頷くしかない。

だって、なんて言ったら良いかわからないから。



本当に、私のことを見ようとしてる人がいるのか。


ただの、希尋の慰めかもしれない。

そんな人、いないかもしれない。

それでも、少しだけ。

信じてみようと思う。

怖くても、一歩だけでも。

進んでみようと思う。





「いつか、希尋の仲間に会ってみたいな」






今の私には、精一杯の一歩。

それでも、少しずつでも。

前へ、進んで。

前みたいに、誰かと。

仲間と、笑い合えるようになりたい。