囚われ姫の復讐





「っぶな、」

嘘でしょ…
今のは完全に不意打ちだったはずなのに…
手ごと注射器を掴まれたせいでゾワッと鳥肌が立ち慌てて手を振り落とした

「何?これ。」


目の前の男は不思議と落ち着いた様子だった。

「これは…記憶を錯乱させる薬。今私がここに来たことは誰にも知られるべきじゃなかった、だから忘れてもらおうと思って…」

さっき掴まれた手を握りしめながら答えた。
もうこの男のことなんかよりも早く寮に行きたい…

「ハッ、そんな危ねぇ薬使わなくても俺は言いふらしたりしねぇよ。俺は自分に得のない事はしないんでね。」


「??」

だけど…交換条件を付けられるかもしれない。薬を使った方が…


予備の薬を手に取った時、ガチャガチャと屋上入り口のドアの鍵を開ける音が聞こえた。


「っ!やっべ…、おい、こっちだ。」


その男はいきなり私の手を無理矢理引いて隠し通路まで引っ張って行った。


まって、やめて、私に触らないで…。
どんどん血の気が引いてく…どうしよう…。

「は…!はなし、て…」

暗い通路の中、私の声は彼に…


「おい、おい!強く引っ張り過ぎたか…大丈夫か?」

ここからの意識は無かった。