「まあな。でもなんか恥ずかったわ。ほらパッケージにキスしたくなるって書いてあるだろ? 同級生にバレて散々からかわれた。」 どうやらこのリップは甘い香りがするのとプルプル唇になるので、 キスしたくなる、というキャッチコピーで売り出してるらしい。 「ごめんね、てかお金払うよ。」 財布を取り出そうとすると郁也はそれを静止した。 「いいって、これくらい払わせろ。」 そう言って私の頬を片手で覆った。