「とりあえず、リップクリームだけ買ってきた。」 「リップって唇に塗るやつ?」 「あぁ、そうだよ。口閉じてて。」 言われるまま口閉じると郁也はリップクリームをパッケージから取り出す。 そして私の唇に塗った。 その動作になぜかドキドキしてしまう。 郁也も塗り終わったのかリップを私の唇から離した。 「ねぇ郁也、それわざわざ買ってくれたんだよね……」 私がそう言うと郁也は苦笑した。