「俺は……自分のことばっかで……っ」



悔しそうにそう言う郁也。



「佐藤みたいにお前のことを一番に考えられなかった。

おまえが風邪引くかもしんないのに、泣いてるかもしれないのに…」




そして郁也は私の目をまっすぐに見つめた。



「ごめんな、本当。俺みたいのが幼なじみで。

……おまえは佐藤と幸せになれ。好きなんだろ?お似合いだよ。」




郁也は切なげに笑ってから背を向けた。