夫人はそれ以来、メグが買喰いしないように、 ハンカチ一枚でも、いちいち申し出て、買ったものとレシートを見せ、釣銭を返すという煩瑣な習慣を強いた。 メグはかねてからこの家を飛び出したいと思っていたが、 お金を使う楽しみを奪われたことがその直接の動機だったと言える。 父親が前借りなどをして、メグの自由を、束縛したことにも反撥を感じていた。