夫婦は、生活もかなり豊かそうに見えるし、赤ん坊を失った嘆きも尋常で、到底かれらが遺棄したものとは思えない。 なぜこの子がこんな死にざまをせねばならなかったのか、 実那は好奇心を押し殺した神妙な顔附で、小さな棺と一緒に枯野を揺られて行った。