『夏美ー……
 やっぱさ…私たち無理かも…』



アイスティーが注がれたグラスをストローでかき混ぜながら、目の前の親友、冬香がそう口にする。



私は自分のグラスに入ってるウーロン茶を一口飲んで、冬香の方に視線を向けた。






『もー、そういう笑えない冗談やめてよねー!
 あんなにラブラブなのにさ、何、無理って?』



私の言葉に冬香は、私の目を真剣に見つめてくる。





『…な、何…?
 ……………本当なの?』


冬香の目を見ながら、私は冬香に問いかけた。


私の言葉に冬香は力なく、首を縦に振った。







『……え…………なんでよ!?』



冬香の様子に、私は動揺を隠せない。



そんな私を見て、冬香は制服のポケットから可愛らしい花柄のハンカチを出す。


綺麗に折られたハンカチから冬香の几帳面な性格が滲み出ていて、私はそのハンカチを見つめる。






『……この間ね?
 ハルの家に遊びに行ったんだけど……』



冬香はその綺麗に折られた、そのハンカチを力強く握りしめた。


冬香の顔色も悪くて、私の動揺はさっきよりもひどくなる。






『……………………これ、落ちてて……』



冬香はその言葉と同時に、私の方に向けて、ハンカチをテーブルの上に差し出す。






『…見ても平気?』


私の問いかけに冬香は首を縦に振り、私は差し出された、そのハンカチを手に取る。





私はもう一度、冬香の顔を見る。


冬香は私の視線に、首を静かに縦に動かした。