じーっと寝ぼけた目で見つめられる。

いつもどこか違う世界を
見ているような不思議な子だけれど、
今日は特に変な行動をするわよね。

さっきと言い、
いきなり何をするか分からないわ。

「何かしら?奈良坂君」

奈良坂君の突拍子もない行動に慣れてきた私は、
普通に、じっとこちらを見つめたまま
何も言わない奈良坂君にたずねる。

「僕、告白なんかされてない」

???
どういうことかしら?

その話は私となんの関係があるの?

「それがどうかしたのかしら?」

私は頭を右側に傾けた。
奈良坂君も不思議そうに同じ動きをする。

いや、そんな動きをしても
私は何も感じ取れないわよ。

その私達の様子を見ていた東雲君が
私の肩から外さない奈良坂君の腕を
外させて補足してくれた。

「えーっと、確か
美術部で一緒の女子に告白されていた。
という場面を澄晴が見たと言っていた。
だけど、絵を書いている時の岬は
何にも聞こえなくなるから、
きっとその時の事だったんじゃないか?
こいつは告白の返事をしないほど不誠実じゃないはずだし…」

だからと言ってなぜその話を
奈良坂君が私に聞かせたかったのかが分からない
という困惑した顔を東雲君はしていた。

そうね、私も分からないわ。

でも、東雲君に引き取られた奈良坂君は
それで満足しているのか、
うとうと眠そうにしながらまたあくびをした。

??
結局どういうことなのよ????