「お、おぉ〜ぃ…アッキー…?」
恐る恐る薄目を開けて情けなく呼ぶ澄晴の声は小さい。暑いから離れろよ、と嫌がる誠を無理やり前に押し出している澄晴は全く気にも留めない。
ほとんど囁きに近い声に呆れた穂積が声をかけようと踏み出すと、隣りに立っていた岬に遮られた。
相変わらず眠そうなその顔から窺えることは少ないが、穏やかでない雰囲気だったので素直に黙る。
そう経たず未だに情けない声でおーいと呼び続ける澄晴も、違和感に気付いて口を閉じた。
数秒待ってみるが、『何も聞こえない』。
互いの息遣いさえ大きく聞こえる静寂に違和感は確信となり、そこにさらに嫌な緊張が出てきた。
もう数秒待ってから声の大きい誠が明を呼んだが、返事も無ければ人の気配も無かった。
まさか、と嫌な予感が四人の間を駆け巡る。
気が引けるが確認しない事には、と同時に思って、先頭にいた誠が全く躊躇を見せず入っていった。
「なあ…」
素早い動きで個室を全て確認した誠が怪訝な顔で振り返る。
「荒峰、どこいったんだ?」
