「………優羅と約束したから来ただけです」
前を向いてシャッターをくぐった
てか、それよりもこの人は何しに来たの
「……お前、フラフラしすぎ」
智也に大きい手で頭を掴まれる
「痛い!」
「り、莉琉ちゃんさん?!?!」
え、なんか言葉おかしくないか?
なんで、"ちゃんさん"なの
「ん、久しぶりー」
軽く手を振る
「優羅さん達ですか?」
「んー、まぁね。いる?」
いなかったらこのまま帰るけど
「全員上にいますよ!」
あ、いるんだ
「ん、わかった。ありがとうね」
小さく微笑んで階段を上がる
「あの、莉琉さん。この人は?」
ん?
下っ端たちの視線の先を見る
あー、幼馴染みさんね
そんなの知らないよ
「あなた、優羅と会うんでしょ?
私も立ち会うわ」
うん、だからなぜ?

