「ん、ありがとう」
私は受け取ってそれを着た
「…もういいのかよ?」
私の方を見て首をかしげた優羅
「優羅がいないと楽しくないもん」
優羅の横に座って体操座りをする
何も言わなかった優羅
「……ねぇ、優羅。
なんで背中を見してくれないの?」
「…………莉琉には話さねぇといけねぇな」
わたしの頭をポンポンっと撫でる優羅
「俺の背中にさ、火傷の跡があるんだ」
火傷の………?
「ガキの頃に幼馴染みを
助けるために俺は火の中に飛び込んでった」
どこか遠いところを見ている優羅
「…まぁ、
そいつは無事で俺は火傷したんだけど。
そのあとがまた酷い跡なんだよな」
だから他人には
見せたくねぇんだ。と付け足した
「そう、なんだ」
ちょっと、胸が苦しい
私以外の子を助けたなんて
優羅の幼馴染みだとしてもなんか、羨ましい
「ふ、莉琉は気にすんなよ」
悲しそうな顔をする優羅
優羅が私を抱きしめた
………いやだ

