薫の家の
プライベートビーチだから私達以外誰もいない


なんか、
こんなに静かな場所に来たのは久しぶり


ぷかぷか揺れながら浮いていると……


「あーねーきー」


後ろから声が聞こえた


「んー?どうかした?流斗」


「ビーチボールしない?」


ビーチボールかぁ……


「やろうかな……優羅は?」


「あー、優羅はわかんないや」


苦笑いをする流斗


「ねぇ、流斗。
なんで、優羅は海に入らないの?」


流斗なら知ってると思って聞いた


すると、動きが止まった





「それは、優羅から聞かねぇとダメだよ」


流斗は振り返らないでそう言った


やっぱりか……


あんまりこういう話は好きじゃないからなぁ


でも、聞かないといけないね


私は意を決して海から上がった


ビーチボールをしようって言われたけど
今はそれどころじゃないしね


私の足は優羅の所に向かっていた


私に気づいた優羅は
目を開けてパーカーを渡してきた