『ごめん、奈々!
今日委員会があるから先に帰ってて』


放課後、寧々が慌ただしく謝りにきた。


『んー分かった』

別に双子だから一緒に帰らなきゃいけない訳じゃない。別々に帰りたいなぁと思う時も正直ある。

でもそう言うと寧々は決まって悲しそうにする。


寧々は私をうっとうしく思う事はないのかな。喧嘩だっていつも私が一方的に怒って、悪くもないのに寧々から仲直りしようと寄ってくる。

その度に私は見えない差を感じるんだ。


『海、今日先帰っていーよ』

廊下から先ほど聞いたようなセリフが飛んできた。


『言われなくても帰るし』


そういえば陸と寧々は同じ委員会なんだっけ。どこまで仲良しなんだろう、あの二人は。


『ばいばい、奈々』

目が合った陸が私に優しく手を振った。