きっと、私が先に告白しても陸が選んだのは寧々かもしれない。

だけど恥ずかしい気持ちを乗り越えて、直接好きと伝えた寧々はやっぱりすごいし、私にはその勇気がなかったの。


『言ってスッキリしてくれば?それとな、お前が想いを伝えてもぎくしゃくなんかしねーよ。陸も寧々もそんな奴じゃない。お前が1番分かってんだろ』


うん、分かってる。

海の言う通り、ちゃんと陸に言おう。

でもその前に…………。




『え?』


その日の夜、家に帰った私は寧々に打ち明けた。

寧々が陸の彼女だからじゃなくて、私の気持ちを寧々に聞いて欲しかった。


『私、ずっと陸が好きだったんだ。言いたかったけど言えなくて………』


すると寧々はギュッと私の手を掴んだ。


『奈々ごめん、私……』

先に泣き出したのは寧々の方だった。