奏「香菜~ゲームしよーぜ!今度こそお前に勝つ!!」
香「いいよ、まぁ、結果は見えてるけど...」
奏「やってみなきゃわかんねぇだろ!」
また、このゲームするのか....何回やっても同じでしょ
奏太に勝負を挑まれた?のはマ○カー
別に私が上手い訳じゃなくて、ただ単に奏太が下手いだけなんだけどね
正「またやってんのか...飽きないね」
智「ほんとだ、そんな楽しいの?それ?」
香「やる?てか、やってよ....もう、何回やったと思ってんの?」
智「いやいやいや、俺に言われても困るんだけど....」
あれから私達はもうかれこれ7回はしてる
香「よし、智樹、任せた!私は優のとこ行ってくるわ~」
智「おいっ!ちょ、まっ.....」
うん、無視
そう言えば、桐もいないな
一緒にいるのかな
まぁ、いってみよー
総長室があって、そこは幹部と姫だったら入れる
私は一応姫だから、入れる
ガチャ
香「お~遊びにき.....た...」
んん?
そこには
優斗と桐、そしてなぜか服がビリビリに破られてる女の子がいた
あ、あれは確か....
香「あ!凛?まさかその子に手出してないよね?」
桐「バカか?てめぇは...んなわけねぇだろ、アホ」
香「は?バカかアホかどっちかにしてくれない?」
桐「お前は考える余地もなく両方だ、バカアホマヌケ」
カッチーン
香「しれっとマヌケつけくわえんな!こんの!金髪単細胞!!」
桐「はぁ~??バカアホマヌケに単細胞っていわれたくねぇんだけど!!」
優「お前ら...うるせぇ」
香「あ、ごめんごめん、そんなことより、凛ちゃんどうしたの!」
凛「うっ....ひっ、くっ...うぅ~」
凛は涙を流して私に飛びついてきた
香「大丈夫、大丈夫だから、ゆっくり話してみな?ね?」
凛が言うに
帰る途中、学校の男たちがつけてきて、後ろから腕を引っ張られて路地裏に連れ込まれて犯されそうになったとき、優と桐にたすけてもらったらしい
最低.....
今からでも私が殴りにいきたい
でも、私が喧嘩出来ること...風雷の総長であることを打ち明けられていない
ここは優たちに任せるしかないのか
悔しい...
一緒に戦えないことが
自分がまだ皆に過去を話すことが出来ないことが
優「香菜、お前は凛についててやれ、俺達はそいつらを潰す」
香「うん、分かった。気を付けて」
優「あぁ、」
あれから優達が凛を襲った奴等を潰しにいった
凛はまた狙われ兼ねないから凛は放課後は倉庫に来るようになった
凛も徐々に皆と打ち解けていった
ある日、私が倉庫に行くと皆もう揃っていた
香「あれ?今日は皆いるんだ」
すると皆は鋭い視線を私に向けてきた
皆の輪の中心にいたのは凛だった
凛「ひっ!うぅ~」
香「どうしたの?凛!」
智「どうしたのじゃねぇよ!!お前だろ?凛いじめてんの!」
は?
香「意味がわかんない、冗談でしょ?」
智「凛が言ってたんだよ、お前にいじめられてるって」
香「バカなこと言わないで...んなわけないじゃん、凛...嘘でしょ?」
凛「ずっと、皆には言えなかった...だって皆香菜のこと大切にしてたからっ!でも!私はずっと香菜にいじめられてた...言わないでおこうって思ってたけど、もう我慢できないの....っうぅ」
優「凛はそういってる、香菜なんでそんなことした?」
冷たい視線
なんでそんなことした?か....したこと前提なんだ
聞くまでもないんじゃないの?
あぁ、優や皆は私じゃなくて凛を信じてる
やっぱり、結局はそうなんだ
この視線....冷たく、信じていないこの瞳
心のなかでは少し感じてた
私がいつまでも過去を話すことができないことに皆、信用されてないんじゃないかって感じてたこと
でも、そんなにすぐに立ち直ることができる、みんなに自分から言える
私のなかではそんな簡単なものでははなかった
いざとなっては心が痛い
自分がいけなかったんだろうか
やっぱ、信じるんじゃなかった
もう、いいや....
香「違うそんなことやってない...信じてよ...」
そう言っても私を鋭く睨む視線は変わらなかった
あぁ、皆も同じなんだと思った
信じられるって...そう思ってた
「信じてくれないんでしょ?やってないって言っても。もういいよ、私がやった。これで満足した?」
正「..........香菜...」
智「そうかよ、お前そんなやつだったんだな」
軽蔑の視線
あぁ、辛い
ははっ、自分でいったくせにね
こうも簡単に信じるんだ
さっきは信じてくれなかったのに
優「ここから、出ていけ....そして二度と姫と名乗るな」
香「別に....名乗る気なんてないよ」
楽しかった、皆といられて
香「さようなら」
私は倉庫から出ていった
帰り際に見えた凛はにっこりと満足げな笑みを浮かべていた



