今度は何だ、ときっともう一生会うことはないであろう子供を見下ろすけれど、美織は私の方は見ずに早川だけをじっと見つめていた。
……ああそういえば、生意気にも早川のこと好きだとかなんとか言ってたんだっけ。
最後に言いたいこともあるのかもしれない。
オジサンだからってフッてたけど。ププ。早川ったら可哀そうに……。
ちょっと笑いそうになりながら早川から腕を離す。
「どうした美織」
「ちょっと、ハヤカワにデンゴンがあるの」
デンゴン? 伝言? 告白じゃなくて? 誰からのだよ。私には聞かせないわけね。別にいいけどさ!
美織と目線を合わせるようにしゃがみこんだ早川は私を見上げてきた。
そんな不思議そうな顔で見られたって、なんの話かなんか私だって知らないっつーの。
「……あのね、」
口元を両手で覆い隠した少女は、早川の耳元に顔を近付けると少しして、悪戯っぽくこちらを見上げてくる。
出た、その癇に障る勝ち誇った顔。どうにかなんないのか。

