……ていうか私も、終わった途端逃げて来てどうするよ。
元はといえば、川端さんとちゃんと話し合おうとしただけなのに。
なんも頭働かなくて、どんな感情よりも疲労が勝ってついつい動けなくなってしまった。
……もー少し、休んでからにしよう。
「――ま、まま、待って!」
ん、待って?
誰かに見つかってもなんだしマスクだけはとっておくか、と起き上がったところで甲高い声が聞こえて、とっさに机から下りた。
……く、クラスメイトに馬面晒すなんて冗談じゃない……!
先に脱いでおけばよかった、と思ったけれど、近付く足音は教室の扉を開けて入ってくるから、他にどうすることも出来ず机の下に身を潜める。
「ん? どうした?」
「あ、やっぱりどうしてもお礼、言い足りなくって……!」
男女二人。声的に。
まさか修羅場がおっ始まったりしないだろうな、学祭マジックを起こす気なら余所でやってくれ。
完全に出て行くタイミングを失って苛々していれば、なんとなーく聞き覚えのある声だったような気がしてきて、机の陰からそっと顔を出して声の主を探した。
教室の中央、ふたつの陰を辿って注意深く顔を上げれば、頭部がぐらついて体がひっくり返そうになる。危な……っ。もうこのマスク無駄に重いんだって……!

