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「……疲れた」
どれだけ疲れたかというと、誰もいない教室で、虚しく独り言を呟いてしまうくらいには。
正午ちょうど、川端さんのシフトが終わるらしく、次に入る女の子たちと交代したのを機に、正体がバレないうちにと自分の教室へ逃げ戻った。
お昼時のためか、今度こそ教室に残っている人はいない。
もうマジでバイト代出てもいいだろってくらいには動きまわったわー。
マスクを取る気力も湧かなかったから、そのまま机の上に寝転がる。
初めての接客は4人で回してなんとか無事終わったけど、イケメン王子がいるとか、赤ずきんが美少女だとか、噂が噂を呼んで余計に混んだ最後の方は修羅場だった。
早川が手伝いにきてなきゃもっと楽だったと思う。あいつめ。
……なんてのは、彼は良かれと私のバカに付き合ってくれたのだろうから、ちょっとしか思わないことにしておくけど。
ちなみに白馬の人気はびっくりするほどなかった。子どもにジュースを運んだら泣かれた。すごい号泣された。

