「しらゆきひめ……?」
たどたどしい小さな声でボス猿を見て首を傾げる川端さんは、
「……白馬の王子様……?」
次に私の方へ視線を動かして、だけどすぐに慌ててそらした。
ちょっとちょっとちょっとちょっと。おい。テメエ。
すごい不審がった目で見られたんだけど。何様だよお前。
誰のために人がこんなヘンなカッコしてると思ってんだ……!
川端さんにだけはそんな目で見られたくない……っ! 何これ完璧ギャグじゃん。
もうやだ……死にたい。
ダサい被り物を床に投げつけたい衝動に駆られたけれど、なんとか耐えていれば、ふと後ろから長い腕が伸びて来て、ひょいと持っていたお盆を横取りされた。
「――違うよ川端」
「……え」
「王子の白馬様だよ」
背中から、悪戯っぽい声が聞こえて慌てて振り返れば、昨日の劇で使った王子役の衣装を身に纏った早川がいる。
――っな、何でいる……っ!?

