うわ、勇者だな。
割り込まれたと思ったのか、列に並んでいた客の視線は鋭いけれど、私もそれに続いた。
ら、何故か自然と人は私を避けて道が空く。
狭い視界の中で、多数の超ヒいた目がこっちを見ていた。失礼な。謝れ馬に。
……ああもう、なんでこんな恥ずかしい思いしなきゃいけないんだ。
最悪だ、ほんっと最悪!
重い頭部を支えながら、半ばヤケクソに教室へ駆け込む。
9つのテーブル席は全て埋まっていて、それに慌ただしく対応する赤ずきんの姿はすぐに見つかった。
昨日あんな風に言われたばっかりなのに、いきなり余計なことして、迷惑がられたりしないだろうか。
と、今更ながら動揺して声をかけるタイミングを掴めずにいると、調理室となっている隣のクラスへ移動するため、小走りで川端さんは後ろのドアから教室を出て行く。
ああ嫌だな。
落ちつけ私。何のための馬マスクだよ。
顔バレしなければ何も恐れることはない。

