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「――で、あんたは何がしたいのよ!?」
嫌がっていたくせに結局白雪姫の衣装を身に纏ったボス猿は、怒っているのか恥じらっているのか、顔を真っ赤にして私を見てくる。
馬子にも衣装というのか、思ったほど酷くない見た目にうっかり感動した。
また舞い戻ってきた童話カフェは、相変わらずの人だかりで前に進むのにも躊躇してしまう。
じろじろと私たちに刺さる視線が居心地悪かった。
「……はあ、ボス猿の白雪姫姿のせいで注目されてる……一緒に歩きたくない……」
「だからボス猿ってなんだよ! ……ていうか注目されてんのはあんたの方だ!」
「何を言う」
「なんなのよそのマスク!?」
「ぎゃっ、引っ張んなバカ! 不安定なんだから!」
「知らないわよ!」
私が被った、王子の白馬のマスクを無理やり引っ張って脱がそうとするボス猿の手から、慌てて逃れる。
首まですっぽり覆われているため、顔が熱い。視界も見た目も悪い。最悪だ。

