偏食系男子のススメ【完】





男好きだとかぶりっ子だとか、性悪だとかビッチだとか、全部あんたらのことじゃん。


川端さんが頑張って作った衣装着て、カフェやってるくせに。


バカじゃないの?


あんなに人がいい人、そうそういないっつーの。何も知らないクセに、陰でばっかこそこそ言っちゃって。



……まあ私も人のこと言えないかー。




「――まあでも、さっきはちょっとすっきりしたよねえ」




おかしくもなかったけれど、あははと一人で愛想笑いを浮かべたところで、女子二人の興奮した声が1オクターブ低くなった。



まだまだ悪口は尽きないってわけ?


そろそろもう出てけよ、うるさいから。私の純粋な耳が汚れちゃうじゃん、勘弁してよねー。




いい加減我慢の限界で、ちょっとビビらせてやろうと壁を蹴るために立ち上がれば、

「あたしらがサボったせいで、きっと手回ってないよ」

発せられた言葉に動きは停止した。




……うーん? サボった?


それって確か私のためにある言葉じゃなかったっけ?