恋する黒猫



「そろそろ帰る〜?」


誠司がだるそうに言った。



「そうだな!帰るか!」


要が机の上から降り、鞄を持つ。


「ちょっとー…今日は倉庫行かなきゃなんないんだろ?」


龍が面倒臭そうに言った。


「陽向、今日は全員集まる予定です」


全員…


「あぁ、わかった」


全員が来るってことは『あいつら』も来るのか…


「そういやぁさ千聖、智さんも来るの?」

ふいに龍が千聖に聞く。

「はい、来ますよ」

何を言っているのですか?当たり前ですよ。愛用しているパソコンをいじりながら応える。


「まじかぁ」


「あの人が来ると陽向の機嫌、いつも以上に悪くなるよね〜」


「おい、それはどうゆう意味だ」


「そのまんまでしょ」


よーし要、ゲラゲラ笑うその口を潰してやろうか…


「あぁー!陽向、笑顔が怖いよ!!」


「ごめんって!」


龍があたふたする中、誠司は爆笑。


顔を引きつらせて逃げようと後ずさる要に対し、拳を握り胸ぐらをつかんで、今にも殴りかかりそうな俺。


「陽向、今日は程々にしてあげて下さい。早く倉庫に向かわなくては、棗が怒りますよ」


俺の肩を叩き、溜息をつく千聖。


「わかってるよ…

おい、要。お前後でしばく」


「すみまぜん」


半泣きで謝る要を放っておいて教室を出る。



倉庫に行くとやる事がたくさんある。

こんなところで遊んでいる暇はないんだ。




「てかさぁ、棗も学校にこればいいのにね〜」


「仕方がないですよ。棗は究極の女嫌いですから」


苦笑いしながら誠司に答える千聖。


ブーッブーッ


「あ、棗からだ。…げ」


「棗なんだって〜?」


「まだ?だってさ」


「うっわぁー…棗めっちゃ怒ってんじゃん」


「早く行くぞ」