「悠里っ!!!!」
廊下の先から、みんなが額に汗を浮かべ必死な顔でこっちにはしってくるのが視界に入った。
目の前の彼女は、必死に笑いをこらえながら肩を震わせているというのに。
皆が悠里の目の前にたったとき、ふと蓮と視線が重なった。
それだけなのに、また前みたいに優しい目を向けてくれるんじゃないかと密かに期待してしまう自分がいる。
「お前………いい加減にしろよ。」
そんなこと、あり得ないのに。
低く怒りの込められたその声は、私を容赦なく苦しめる。
「な、んで………」
信じてくれないの??
そう言いかけて、私はふと口を閉じた。
青龍のみんなが、鋭く軽蔑の目で私を睨みつけていたから。
「悠里、もう大丈夫だからね。」
そう口々に言いながら、悠里ちゃんを宥めるみんなの姿を見て自然と目頭が熱くなってくる。
ならば、皆がそう言うのなら、いっその事わたしを奈落の底に突き落として。
「ねぇ、みんな………。私は皆にとってどんな存在??」
そう言いながら、ふと優しく微笑む。
「はっ、そんなこと聞かなくても分かるだろ…??」
そう吐き捨てる蓮は、もう私のことを見ていない。
