夢化現実かも分からないまま、私はフラフラとした足取りで昨日の待ち合わせ場所に向かう。
片手には、耳に当てたスマートフォン。
数回コールがなった後、ガチャリという音と共に
「もしもーし?」
と、明るいテンションの尚が電話に出た。
「な、お………お願い、助けて………」
震える声でそう言うと、尚は「わかった、ちょっと待ってろ!」そう言ってくれた。
私は場所を伝えると、プツリと電話を切った。
何故か分からない……。
けど、尚の声を聞いて少しホッとした。
まだ自分は一人じゃない…………そう、思えたから。
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