「奈緒、明後日なんも用事ねーよな?」





仕事に行く前、突然陸さんが私に聞いた。





「明後日…5日?特に何もないけど…」




「そっか、じゃあ行けるな」




私に背を向け、玄関で靴を履く陸さん。




「え…どこに?」




「その日北川の花火大会あんだろ?それにいかねぇ?二人だけで」




「え!二人だけでって…子供たちは?」





立ち上がり、私の方を向いてニヤリと笑った。





「蒼空と唯の事はお義母さんに頼んである。昼間は子供達連れて祭り行って、夜は2人でいこーぜ」





「え…う、うん…」





「なに?嫌なのか?」





私が腑に落ちない顔をしていると、陸さんが私の両頬をぶにっとつねった。





「嫌じゃないよ!ただ…急になんでだろうって…」