近づいて頭を撫でようとした時、陸さんの目がパチっと開いた。



「…奈緒?帰ってきたのか」



「う、うん…ごめんね起こしちゃって」



「いや…遅かったな」




陸さんはあくびをしながら起き上った。




時刻は22時を過ぎたところだった。




「優奈と飯楽しかった?」



「うん…」




全然楽しくなんてなかった。



まさかあんな事になるなんて…



優奈ちゃんはあの事、陸さんに言ってないんだな…




「それにしても、優奈がお前に懐いてくれて良かったよ。あいつ、かなり奈緒を慕ってるみてーだし」



「…そうなの?」



「ああ、なんか憧れてるとか言ってたけど」




ククッと笑い、冷蔵庫から水のペットボトルを取り出して飲んだ。