「貫七。貫七だって師匠も言ってたように、気を感じられるだろ。前にさ、おいらが、何でおいらといることに拘るんだって聞いたとき、何かよくわかんない感じだったよね。あのときから、おいらの気が何か違うって気付いてた?」

 そういえば、と貫七は考えた。
 もしかして、己の心の奥では、おりんの気が女のそれであることに気付き、さらのその上で、おりんを意識していたのかもしれない。

「気付いてはいねぇけど……。伏見の宿の女将さんによ、お前が危ないって話をしたときに、俺は別にお前を男だとも女だとも言わなかったけど、女将さんの中じゃ女として理解されたんだ。幼馴染だって言っても、女の幼馴染だと思ったみたいだった。それって、俺が女を想う気を醸し出してたってこったろ」

 貫七は、しっかりとおりんを見た。

「気付かないうちから、俺はお前に惹かれてたんだ。おりんが女で良かった」

 そこはしみじみ思う。
 これでおりんがやっぱり男だったら、どうすればいいのか。

「おりん……」

 貫七の手が、おりんの頬を撫でる。
 そして、少し顔を近付けた。

「……か、貫七っ。お、おいら、まだその、か、身体が子供なんだよねっ」

 赤くなって、慌てたようにおりんが暴れた。

「でも月のもの、始まってるんだろ」

「知らなかったくせにっ」

「知らなかったけど、でもそれが来れば大人だって聞いたぜ」

「そそ、そうだけど、でもっ……て、わわっ!」

 貫七が、おりんを抱き締めた。
 小さなおりんは、すっぽりと貫七の腕の中に収まる。