「お前たちは、もうちょっと麓に出て暮らしたほうがいいじゃろ。何もいつまでもこんな山奥にいる必要はないのじゃし。町の暮らしっぷりは、もう十分理解出来たじゃろ?」

「それは……そうだけど」

「何より若い男女のところにいつまでも居座っては、子も生(な)せんじゃろ」

「……しっ師匠っ!!」

「何を赤くなっておるか。わしはお主の所業を見てきたと言ったであろ。遊び人のお前が、おりんに何もしないでいられるとは思えん」

「べ、別に遊んできたわけじゃねぇよ! 必要だから、身体を使ってきただけだろ!!」

 何とも際どい会話だ。
 聞き様によっては、まるで陰間である。

「とにかく、おりんはともかく、お前には今後しっかりして貰わにゃ。今後は人並みの生活を、町ですることじゃな」

 そう言って腰を上げる。
 貫七は慌てた。

「ちょ、し、師匠っ。何も今すぐ出て行くことねぇじゃん!」

「とはいえ、いつまでもぐずぐずしておったら、お前はいつまでもだらだらここに居続けるじゃろ」

「帰ってきたところだぜ! 休ませて貰ってもいいだろ」

「旅をしてきたわけでもあるまいに、何を甘えておるか。伏見からとはいえ、雲で寝てきたくせに、別段疲れておらぬであろ」

 うぐぐ、と貫七が口を噤む。