『これであいつらの問題も解決だね』

 いつもの宿の外で、おりんがやっと口を開く。

「どうかな。木の葉様が受けてくれりゃいいけど。受けてくれても簡単じゃねぇかもしれんしな」

『お布施をたんまりさせれば? あ、油揚げとかのほうがいいかも』

「そうだな。そっちのほうがいいかもな。よし、参道の店で、油揚げを買って行くようにしよう。一応弁当は、稲荷寿司にしてくれるみてぇだったが」

 はたして妖狐や神狐も油揚げが好きなのかはわからないが、ゴマを擦っておくに越したことはない。

 そのとき、向こうのほうから何かが物凄い勢いで飛んでくるのが見えた。
 辺りはすっかり闇だ。
 貫七は宿から漏れる灯りを頼りに、少し建物の陰から出た。

「……鳥?」

 目を窄めて見ると、小さな鳥らしきものが飛んできている。
 しかも羽ばたく感じではない。
 羽をぴたりと閉じ、びゅーんと弾丸のように空を滑ってくる。

「いやいや、おかしいだろ。今は夜中だぜ。鳥って夜中も飛べるのか?」

『ていうか、あの鳥おかしいよー』

 何となく鬼気迫るものを感じ、貫七もその肩の上のおりんも及び腰になる。
 そのうちにも、怪しげな鳥はどんどん近づいてくる。