「おいらにゃ無理。上役に相談してやってもいいって思っただけ」

「ほ、本当か!」

 ぱぁっと貫七の顔が綻ぶ。
 一気に希望が見えてきた。

 それに、何と言っても人外だ。
 そんじょそこらの術者などより、よっぽど強力だろう。

「ありがてぇ! 恩にきるぜ!!」

 がばっと少年の両手を掴み、貫七はぶんぶんと振り回す。
 おりんが肩の上で、落ちないように、必死で爪を立てた。

「そんなに喜んで貰うと、おいらもやり甲斐があるってなもんだけど……んでも、残念ながら、ただというわけにはいかないよ?」

「お、おお。それもそうだ。でも……俺ぁ手持ちもねぇ。出来ることなら何でもやるが」

「ん~、そうさねぇ。金はねぇ、実はあんまり必要ではないんだよねぇ。苦しいとはいえ、お賽銭があるし。元々おいらたちは、人の金なんて、あんまり必要としてないし」

 とことこと参道を歩きながら、少年が言う。
 いつの間にやら尻尾は消えている。
 今は普通の参道を歩いているので、いつ誰に会うかわからないからだろう。

「あんたのその顔であれば、小薄(おすき)様が女子であれば便宜を図らってくれそうだけど」

「おうっ! 俺に出来ることであれば、いくらでも神様の要望に応えるぜっ」