「お前さん、かなり鋭いな。お前の師匠ってのも、結構な力があるのだろう。魂を移すなんてこと、そうそう出来ることじゃない。まぁ、抜けそうな魂を別の器に入れ替えるのがせいぜいなところだろうね。確かに死にかけでもない器から魂を抜くなんてことは、そうそう出来ぬことだし」

 喋っているうちに、だんだん言葉遣いが変わってくる。
 正体を隠す気がなくなったためか。

「普通は出来ねぇのか。でも、あんたは出来るのか? 性別を変えることだって出来るんだろう?」

 言い募る貫七に、少年は渋い顔をした。

「宿った命を無理から変えるなんぞ、いくらおいらでも出来んわ」

「え、でも実際に望む通りの性別の子を産んだ女もいるって聞いたぜ」

「たまたまだ。それに、気の持ちようで、子への想いなんざ変えられるわな」

 怪訝な顔をする貫七に、つまり、と少年は、とん、と己の胸を指した。

「とにかく、最終的にはどちらでもいいと思えるように持っていくんだ。腹の中の子供への愛情を増幅させるというのかね。で、生まれた瞬間には、どっちを望んでたかなんて、忘れちまうぐらいの喜びを与えるのさ。その代わり、そんな勝手なことを望んだ罰として、記憶が飛ぶぐらい産みの苦しみを与えるけど。そんでもそれがたまたま、当初の望みと合致した場合は、そらぁ喜びも倍増し、まぁ噂が噂を呼ぶ、となったわけ」