「俺じゃねぇ。いや、全く関わりがねぇってわけでもねぇけど。強い術者を探してるんだ。ある奴の魂を、元の身体に戻して欲しい」

 貫七の言葉に、少年はきょとんとした。

「魂? ん? 子の性別がどうのって頼みじゃないのか?」

「そんなもん、どうでもいい。そういうことが本当に出来るのなら、魂の移動だって出来るんじゃねぇかって思ったんだ。教えてくれよ。頼む」

 頭を下げる貫七をしばし見つめ、少年は何かを考えていた。
 ややあってから、ふむ、と息をつく。

「お前、人の命を弄ぶ方法を探してるわけじゃないんだな」

「命を弄ぶ?」

 怪訝な表情の貫七の瞳を、少年は真っ直ぐに見つめた。
 射抜く、というような、強い視線だ。

「さっき、魂を『元の身体に戻して欲しい』って言ったな。ということは、何らかの事情で、魂が抜けてしまったってこったろ?」

「そうだ。元の身体が死にかけて、咄嗟に師が魂を抜いた」

「なるほどな」

 信じられないような話でも、あっさりと少年は頷く。
 その態度は、最早『少年』のそれではない。

---見かけはガキだが……。こいつ、本物だ---

 貫七の背を、冷たい汗が伝った。
 それを見抜いたように、少年がにやりと笑う。