「……へーっ。お前、面白いなぁ」

 少年が、にぱっと笑った。
 貫七は、ちょっと妙な感じがした。

 少年は確かに、普通とはちょっと違う。
 だが人でないような気もするが、物の怪ともいえないような。
 妙にふわふわした、不思議な感覚だ。

「ところでよ。お前さん、ここで何してる? 俺はこの辺りに有名な術者がいるって聞いて、訪ねてきたんだが」

 とにかく先に用事を済ませてしまおうと、貫七は周りを見つつ少年に言った。

「術者? 女子の腹の子を取り換えたりする奴のことかい?」

 不意に、少年の目がきらりと光る。
 が、貫七は、がばっと少年に近づいた。

「知ってんのか! そうだ、そいつだよ。ほんとにそんなこ出来るんかい? どうやるんだ?」

 ずいずいっと迫る貫七に、少年はちょっと気圧されながらも、つい、と顎を上げた。

「あんた、何でそんなことを知りたい。嬶(かかぁ)の腹の子を何とかしようとか思ってんのか?」

 少年の周りの空気が変わったようだ。
 瞳にも冷たい炎が宿っている。

 だが貫七は、気にせず言葉を続けた。
 この少年は、きっと術者を知っている。
 まさか少年がその術者ではあるまいが。