「なぁんか、もっとでかいものを想像してたぜ」
疲れで機嫌の悪くなった貫七が、ぶちぶち言いながら石段を降りて行った。
下に行けば行くほど、滝の飛沫がかかり、滑りやすくなっている。
「うわっとと……。おりん、落ちるなよ」
『うん。貫七こそ気を付けなよ。こんなところで足でもやっちゃ、誰も来ねぇよ』
「怖いこと言うなよ」
慎重に石段を降りた貫七は、ようやく滝のすぐ傍に出た。
きょろ、と周りを見渡してみても、何もない。
「場所は間違ってねぇ……はずだよな。もしかして、他にも滝があんのか?」
術者がいるなら、小屋の一つもあるはずだ。
が、前には小さな滝壺と池があるだけで、他は何も見当たらない。
「くっそぉ! 無駄足かよ!!」
このような無駄足など、この十年、嫌と言うほど運んできたので慣れっこといえば慣れっこだが、今回は期待も大きかったのだ。
加えて結構な山登り。
忌々しげに叫び、貫七は、どかっと傍に生えていた木に蹴りを食らわせた。
その時。
「うわっ!!」
木の上から声がし、がささ、と葉が揺れた。
ぱっと木から飛び退り、身構える貫七の目の前で、葉の中からぴょこりと一人の少年が顔を出した。
疲れで機嫌の悪くなった貫七が、ぶちぶち言いながら石段を降りて行った。
下に行けば行くほど、滝の飛沫がかかり、滑りやすくなっている。
「うわっとと……。おりん、落ちるなよ」
『うん。貫七こそ気を付けなよ。こんなところで足でもやっちゃ、誰も来ねぇよ』
「怖いこと言うなよ」
慎重に石段を降りた貫七は、ようやく滝のすぐ傍に出た。
きょろ、と周りを見渡してみても、何もない。
「場所は間違ってねぇ……はずだよな。もしかして、他にも滝があんのか?」
術者がいるなら、小屋の一つもあるはずだ。
が、前には小さな滝壺と池があるだけで、他は何も見当たらない。
「くっそぉ! 無駄足かよ!!」
このような無駄足など、この十年、嫌と言うほど運んできたので慣れっこといえば慣れっこだが、今回は期待も大きかったのだ。
加えて結構な山登り。
忌々しげに叫び、貫七は、どかっと傍に生えていた木に蹴りを食らわせた。
その時。
「うわっ!!」
木の上から声がし、がささ、と葉が揺れた。
ぱっと木から飛び退り、身構える貫七の目の前で、葉の中からぴょこりと一人の少年が顔を出した。


