「あんたにとっても、良い話だと思うが? 奉公人から、一気に大店の若旦那だぜ」
「そ……」
ぱくぱくと、政吉の口が動く。
どうやらそこまでの野心はなかったようだ。
ちょっと面白そうに、貫七はぽんぽんと政吉の肩を叩いた。
「奉公人なんざ、出世してなんぼだぜ。利用出来るものは、どんどん利用していけばいいのさ」
奉公働きをしたこともないくせに、知ったように言う。
あながち間違ってもいないが。
が、政吉は驚いたように、貫七から距離を取る。
「な、何てことを……」
「おや、そんな善人面してちゃ、思わぬところで足を掬われるぜ。俺が、あんたに取って代わっても、いいってのかい?」
「え?」
「だーかーら! 今のままじゃ、首尾よくお嬢さんが女になったって、店は安泰とはいかねぇだろ。お嬢さんに好かれてるのをいいことに、俺が桔梗屋を乗っ取ることだって出来る」
ひいぃ、と政吉が青くなる。
ま、そんな気はねぇけど、と軽く言い、貫七は再び、ちょいと政吉を指差した。
「だから、あんたが本気でお嬢さんに惚れてるんだったら、お嬢さんが女になった暁にゃ、あんたが頑張れば願いが叶うっていうこった」
「わ、私にお嬢様と一緒になれ、と?」
「そういうことが可能になるぜってこと。つか、俺が思うに、それが一番いい方法だ」
「そ……」
ぱくぱくと、政吉の口が動く。
どうやらそこまでの野心はなかったようだ。
ちょっと面白そうに、貫七はぽんぽんと政吉の肩を叩いた。
「奉公人なんざ、出世してなんぼだぜ。利用出来るものは、どんどん利用していけばいいのさ」
奉公働きをしたこともないくせに、知ったように言う。
あながち間違ってもいないが。
が、政吉は驚いたように、貫七から距離を取る。
「な、何てことを……」
「おや、そんな善人面してちゃ、思わぬところで足を掬われるぜ。俺が、あんたに取って代わっても、いいってのかい?」
「え?」
「だーかーら! 今のままじゃ、首尾よくお嬢さんが女になったって、店は安泰とはいかねぇだろ。お嬢さんに好かれてるのをいいことに、俺が桔梗屋を乗っ取ることだって出来る」
ひいぃ、と政吉が青くなる。
ま、そんな気はねぇけど、と軽く言い、貫七は再び、ちょいと政吉を指差した。
「だから、あんたが本気でお嬢さんに惚れてるんだったら、お嬢さんが女になった暁にゃ、あんたが頑張れば願いが叶うっていうこった」
「わ、私にお嬢様と一緒になれ、と?」
「そういうことが可能になるぜってこと。つか、俺が思うに、それが一番いい方法だ」


