「夏休みだけでいいんだ」
そう言ったのは、ドスの効いた声の先輩。
いや、今は普通の声なんだけど。
「え?」
期間限定ってこと?
「部長…!」
「それはお前のワガママだろ、中沢」
不満そうな声を出す中沢先輩を、部長さんがあの声でまた一喝する。
ワガママっていうのは、何のことかわからないけど。
あ…そういえば、この人が噂の部長さんなんだ。
怖い…すっごい納得。
私に向き直った部長さんには失礼だけど、噂のまんまだ、と思った。
「中沢は、君にずっとマネージャーをしてもらいたいらしいが…部としては夏休みだけでいいんだ」
「…夏休み」
「ああ。部活は毎日朝から夕方まで、大会もあって、忙しくてな。マネージャー二人じゃ、手が回らないんだよ」
そんなの、聞いてしまったら。
…やりたいわけない!!
暑い中仕事し続けるのに耐えられる自信がないし、夏休みはずっと家でダラダラしてるか、陽奈と遊ぶかしようと思ってたし…。

