「あ、まだ聞いてないか?」


「な、何をですか…?」




真っ先に話し出した人は多分、先輩なんだろうけど。


初対面の人と気軽に話すのは難しくて、尻込みしてしまう。




「…おい、中沢」




その先輩が、ドスの効いた声で、私をここに連れてきた張本人を呼ぶ。




「あー、だって柚麻ちゃん、言ってからだったら来てくれないと思いまして」




当の本人はヘラッと笑って、そして私を見る。


そして発された言葉に、私はただただ目を丸くした。




「柚麻ちゃん」


「は、はい」


「マネージャーやってくんない?」


「…はあ。…………え?」




マネージャー…?!


って、サッカー部の、だよね…


あれ、でもサッカー部なら、中沢先輩もいるし、マネージャー希望者なんてわんさかいるのでは…