それは、突然のこと。










「柚麻ちゃん、お願い!」


「「「お願いします!!」」」








帰宅するため門を出ようとした途端、先輩に捕まった私。


強引に引っ張られ、着いたところで。




…なぜか私は、サッカー部のみなさんに頭を下げられています。




「あ、あの…?」




私は今、頼み事をされているんだろう。




…でも。


まだ、そのお願いとやらの内容を聞いてないんですけど…




要件も言わずに、先輩の周りの人はみんな変なの…?


私は、思わず後ずさり。


部室だから、すぐに壁にぶち当たったけれど。




「と、とにかく頭上げてください!どうしたんですか…?」




見知らぬ人の集団に、何の前触れもなしに頭を下げられる私の身にもなってほしい。


心臓に悪いったらありゃしない。