私は、先輩がそのままドアに向かってくれると思って日誌を書くのを再開し始めたのに。
その足は、いつの間にか私の後方に辿り着いていて…。
ふわり、と。
二つの腕が、優しく私の首元に回った。
「?!」
びっくり、なんてもんじゃない。
口は開くのに、そこから声は出てこなくて、ただパクパクと動かすだけ。
体は固まって、抵抗することも忘れた。
「ちょっとだけ、充電」
先輩は、私の耳元で、いつもよりも低い、どこか楽しそうな声でささやく。
そんな先輩の吐息が、直接耳にかかるから。
私は顔を真っ赤にして、更に焦ってしまうんだ。

