踵を返し、教室に戻る途中。
先輩の名前…どこかで聞いたことある気がする…。
一人早足で歩きながら考えていた。
「…あ」
そこであの、たらしで有名な先輩にたどり着いた。
友達に聞いたとき、『中沢尚先輩』と、言っていた気がする。
…確かに、教室にいたとき、前にいたのは女の子だったような。
そんな噂の人だとは思っていなかったから、さっきは普通に接していた。
…というか。
言葉1つ1つに反応してしまったりもして…。
今更ながら、すごく恥ずかしくなった。
あの先輩だって知ってたら、正直に赤くなったりしなかったのに!
あの女たらし!
勝手に先輩への文句を思う。
そして、
「もう絶対、先輩の言葉に反応したりしないんだから…」
と、決意を固めた。

