「あの、先輩」
「ん?どうしたの?」
「上履き、なんですけど」
「上履き?」
先輩は自分の足元に目を向ける。
でも何のことかわからない様子で、不思議そうに顔を上げた。
先輩だから、言うのは少し気が引けるけど…。
「あの、なんていうか…。ちゃんと、かかと踏まずに履いた方がいいですよ。そしたら長く使えるし、上履きも可哀想です」
「…へ」
かなり驚いてる先輩。
マヌケな顔して固まってる。
だって、先輩かかと踏んで履いちゃってるから。
すっかり跡も付いて黒ずんでいるし。
物は大事にしなさいって、教えられなかったのかな。
「プッ」
「…え」
「あははははっ!」
いきなり笑い出した先輩。
今度は私がびっくりして固まる。
ええ、なんで?!

