先輩は焦ってか、そう早口で話してくれた。
…だから顔上げたときいなかったんだ。
納得。
でも…。
「…私、そのせいで恥かいたんですから」
叫んだのは、先輩がいなかったせいだもん。
ほんと、思い出すだけで顔がほてる。
「あはは、ほんとごめん。だから追いかけてきたんでしょ、心配だったから」
ニコリと笑った先輩に、少しドキリとした。
「で、一応教えとくけど、化学教室はこの校舎の4階。そこの階段上がって右、3番目の教室」
さっき聞いたことも、丁寧に答えてくれるから。
怒っていた気持ちも落ち着いてきた。
「ありがとう、ございます」
頭をさげる。

